【現地レポート⑤】フィジカルの強いベルギーに圧倒された日本はベスト4入りならず
「FIBA U19 女子ワールドカップ2019」も大会終盤に入り、日本は2大会連続のベスト4入りをかけてベルギーと準々決勝を戦った。
出だしに連続で失点した日本。だが、すぐに #11 今野紀花、#9 石原柚香らでシュートを決め返すと、♯14 伊森可琳のフリースローで 7‐4 と逆転に成功する。
しかし、ここからベルギーは双子のセンターが本領発揮。#12 Billie MASSEY の3ポイントシュートに ♯11 Becky MASSEY のインサイドプレーで対抗すると、ガードの♯13 Maxuella LISOWA MBAKA もドライブからシュートをねじ込む。それでも日本は今野の奮闘もあり、第1クォーターは 15‐17 と2点ビハインドに留まった。
しかし、第2クォーターでも「オフェンスが重かった」(萩原美樹子ヘッドコーチ) という日本は、なかなかリズムに乗れない。逆にベルギーには合わせからのリング下のシュートや3ポイントシュートにドライブなど、多彩な攻撃から得点を許し、2桁のビハインドを負ってしまう。終盤には伊森の3ポイントシュート、またこの試合で執拗なマークを受けていた ♯2 東藤なな子のフリースローなどで得点した日本。前半は何とか7点ビハインドに詰めて終了した。
後半、日本は #1 竹原レイラ、#25 大原咲織が合わせからのジャンプシュートを沈め、そのまま反撃開始といきたかったが、「ボールを受けに行かなくなってしまい、ボールがつながらなかった」(萩原ヘッドコーチ) と、オフェンスが停滞。また、「ここまで対戦してきたヨーロッパのチーム中で一番押し込まれた」と、萩原ヘッドコーチが言うように、フィジカルの強いベルギー勢の攻撃にディフェンスでも後手に回る形となったしまった。
結局、日本のポイントゲッターである東藤をしっかりとマークしてきたベルギーに一矢報いることはできず。日本は 43‐63 と20点差で敗れた。
「東藤、今野が得点源で、今日のように東藤が抑えられた時に今野は良かったですが、もう少し他の選手が点を取らないと。シュートを打っていないということではなく、決め切れてない感じがします」と試合を振り返った萩原ヘッドコーチ。
また、「取り切るルーズボールが取り切れなかったこと、それと日本がポロポロッと落としているシュートをベルギーはねじ込んできたという点では、少し気持ち的に向かう気持ちになっていなかったのかなと思います」とも語った。
これで 5-8 位決定戦に回ることとなった日本。目標としていたメダル獲得はならなかったが、まだ試合は2試合ある。アンダーカテゴリーのこの大会が選手たちの最終の場ではないため、「相手と戦う気持ちを残り2試合でつけさせたいですね。今日についていえば、戦っているなと感じるのは東藤と今野ぐらい。どこか腰が引けているところがありました。抽象的な言い方になるけれど、迷わないで自分のプレーを信じてやることがこの世代は大事だと思っています」と、萩原ヘッドコーチも明日以降の戦いへの思いを語った。
また、チーム最多の11得点を挙げた今野は、「出だしは良かったけれど、その後、チームとしても流れがよくなかったり、ディフェンスで我慢する時間が続いたりして、そこで力を発揮できなかったのは自分たちの実力不足だと感じています」と語りながらも、「でも、明日も試合があるので気持ちを切り替えたいです」と気持ちを新たにしていた。